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資源有効活用

再資源化の取り組み

 環境省が推進する資源循環型社会を実現するためには、再資源化への継続的な取組みが重要となります。
 当社における使用済み製品の再資源化率の推移を(図1)に示します。リサイクル技術の改善により2014年度まで着実に向上した再資源化率は、その後90%程度で安定して推移しました。2019年度から、リサイクルが困難な素材が増加したため悪化しましたが、引き続き改善に取り組むとともに、プラスチック回収品の再生用途開拓、移動運搬が困難な低濃度PCB汚染大型変圧器の現地洗浄処理、太陽光パネルやリチウムイオン電池のリユース・リサイクル技術の活用拡大など、廃棄製品に適したリサイクル技術の開発を行うことで、廃棄物をより効果的に再資源化する取組みを進めていきます。

図1

受入資源 (廃棄物) の再資源化率の推移

図1 受入資源 (廃棄物) の再資源化率の推移

ステータコイル解体機器の導入

 モータの固定側に利用されるステータコイルは、多種多様な分野で使用されています。その構造は、非常に頑強であり、鉄心へ何層にも巻線されていることから、工具を使用しても手で解体することは困難です。そこで、当社では、油圧プレス機を改造して切断刃を取りつけた装置を導入し、解体分別を機械化いたしました。ステータコイルが扁形せず、巻線のほとんどは絡まることなく切断され、自重で落下し、切り終わった状態では多くの巻線がステータコイルから分別されます。従来は、そのまま鉄素材と非鉄素材の混合物として出荷先の業者に売却していましたが、機械化により、鉄、銅線、アルミ線などへ高品位な素材別回収を可能とし、作業効率も向上いたしました。

図2

ステータコイル解体装置

図2 ステータコイル解体装置

図3

ステータコイル解体後

図3 ステータコイル解体後

プラスチック選別システムの運用と再資源化

 冷蔵庫や洗濯機等のリサイクル処理は、手作業により主な再資源部材を回収した後、破砕処理を行い、金属とミックスプラスチックに選別し、再資源材料として回収していました。当社では、2018年度末にプラスチック選別システムを導入し、ミックスプラスチックを、高品位なプラスチックに自動選別して、資源循環を図っています。
 ミックスプラスチックは、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンの共重合体)等のプラスチックと、前工程で選別できずに残った金属の混合物です。これらを、水に対する比重の違い、振動と摩擦に対する挙動の違い、色の違い、赤外線吸収波長の違いなどの原理を用いて、最終的に、高純度なPP、PS、ABSへ選別して回収します。その後、再生プラスチック加工業者へ出荷し、家電部品への水平リサイクルや他業種で使用される部品へのカスケードリサイクルがなされています。

図4

プラスチック選別システム

図4 使用済み太陽電池モジュールの適正処理フロー
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