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PCB汚染土壌浄化施設における実証実験の実施について

2008年3月21日

株式会社 テルム
株式会社 東芝
株式会社 鴻池組

株式会社テルム(取締役社長 邉見芳郎、以下「テルム」)は、PCB等汚染土壌浄化の商用運転を 行っている北九州市若松区響町の土壌浄化センター内に、株式会社東芝(代表執行役社長 西田厚聰、以下「東芝」)、株式会社鴻池組(代表取締役社長 玉井 啓悦、以下「鴻池組」)と共同して、新たに1時間あたりのPCB汚染土壌の浄化処理能力が2トン規模の施設を建設し、2008年10月から実証試験を行い ます。

土壌浄化センターは、施設運営をテルムが行い、東芝及び鴻池組が装置の 運転管理面など、技術的なサポートを行う形で、2007年8月から商用運転を行っています。これまでの土壌浄化処理は、1時間あたり0.3トン規模の処理 が可能な土壌浄化装置で行われていました。今回3社が共同して、新たに1時間あたり2トン規模の処理が可能な施設で、「無害化処理の性能」、「浄化土壌の 再資源化」及び「周辺環境への影響」などを検証し、より大規模で安全確実な浄化処理技術の確立を目指します。施設の建設は2008年3月下旬に開始し、実 証試験を2008年10月から約3ヶ月間行う予定です。

新たに建設する施設は、従来施設と同様にPCB、ダイオキシン類、残留 農薬による汚染土壌の処理施設で、土壌中の水分を利用してPCBなどの汚染物を分解する、安全で浄化性能の優れたジオスチーム法*1を 採用しています。この施設では、汚染土壌を「間接熱脱着装置」で土壌と汚染物質を含むガスに気化分離した後、汚染物質を含むガスを「水蒸気分解装置」で安 全、確実に無害化するもので、鴻池組が間接熱脱着装置、東芝が水蒸気分解装置を開発しました。また、本施設の無害化設備は、既に商用運転を行っている現行 のプラントと同一のシステムを用います。

近年、全国各地でPCBなどの土壌汚染が顕在化していますが、国内でこ れら汚染土壌を処理するためには、安全で浄化性能が優れた処理施設が求められています。東芝、テルム、鴻池組の3社は本施設により、安全、確実で、大規模 な浄化処理が可能なシステムを確立し、汚染土壌の再生を通して、安心して暮らせる環境づくりに積極的に取り組んでまいります。

*1:ジオスチーム法
2001年に東芝が開発した土壌浄化技術。土壌を加熱し汚染物を蒸発させる方式(間接熱脱着法)により土壌からPCB等の汚染物を除去する工程と、土壌から蒸発させた汚染物質を水蒸気で分解する方法(水蒸気分解法)により無害化する工程の二つの工程で構成される。汚染物の除去から分解までを一連のシステム内で行なうため、装置外へ汚染物を排出せず、また溶剤や薬品を用いないため、有害物・危険物等を取り扱う必要がない。

新規に建設する施設の概要

場所 北九州市若松区響町1丁目62番-1
(株式会社テルム 土壌浄化センター内)
導入設備 無害化処理設備(間接熱脱着装置、水蒸 気分解装置、ほか)
処理対象物 PCB、ダイオキシン類、残留農薬によ る汚染土壌
処理能力 2トン/時間
〈既存の商用施設〉
導入設備 無害化処理設備(間接熱脱着装置、水蒸 気分解装置、ほか)
処理対象物 PCB、ダイオキシン類、残留農薬によ る汚染土壌
処理能力 0.3トン/時間

テルムの概要

社名 株式会社 テルム
設立 1961年10月2日
資本金 5億円(株式会社東芝の全額出資)
代表者 取締役社長 邉見 芳郎(へんみ よしろう)
本社所在地 横浜市鶴見区寛政町20−1
従業員数 406名
年間売上高 202億円(2006年度)
事業概要
  1. (1) リユース・リサイクル事業
    (産業 廃棄物・一般廃棄物の収集および運搬、処理、リサイクルなど)
  2. (2) 環境再生エンジニアリング事業
    (分析、土壌・地下水調査、浄化 工事など)
  3. (3) 環境マネジメント事業
    (環境・品質関係の認証取得コンサル タントなど)

本資料に関するお問合せ先:
株式会社 テルム  電話 045-510−6866
株式会社 東芝 広報室  電話 03-3457-2100
株式会社 鴻池組 広報  電話 06-6244-3555

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