PCB廃棄物処理
PCB廃棄物処理の分類

PCBトータルソリューション
PCB処理を行う際の処理の流れを図:PCB処理の流れに示します。

ここで少しでも低コストで処理する為に重要となるのが、@調査・分析です。PCBの処理コストは、高濃度PCB廃棄物が最も高く、次に低濃度PCB廃棄物、そして非PCB廃棄物の順になります。廃棄物毎に濃度を分析して分類する事で、Aお客様のニーズに合わせた最適な処理計画作成・提案を行います。
処理費用を電気機器を例に比較してみると、非PCB廃棄物を基準とした場合、低濃度PCB廃棄物で20〜30倍、高濃度PCB廃棄物はさらに高額となります。
※処理費用のみの比較で、機器の状態や輸送条件等により異なります。
当社では、社内にPCB分析組織を持っており、迅速で正確な分類による処理の提案が可能です。絶縁油中微量PCB分析にも対応いたします。
その後の処理として、焼却処理を行う場合は、B収集・運搬、C処理外部委託が必要となりますが、この作業は排出者が直接契約する事が義務付けられている為、コストメリットのある委託先を紹介いたします。
(収集・運搬及び処理事業者リスト http://www.env.go.jp/recycle/poly/facilities.html)
そして、当社では、最大の強みとしているD移動型設備を使うことにより、処分施設への輸送が困難な大型の低濃度PCB廃棄物(5,000kVA以上の変圧器)を、設置場所 でPCBを化学的に分解し無害化洗浄する事が可能です。この無害化洗浄方式は、当社が国内で環境省の技術認定を受けた独自方式です。
PCBトータルソリューションの作業例

絶縁油中微量PCB分析
微量PCB分析の必要性
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、その有害性が認められた1972年に製造・輸入・使用が原則として中止されましたが、その後PCBを使用していないとされていた電気機器等において、微量のPCBに汚染された絶縁油の存在が明らかになり、その数は数百万台とも見込まれています。
微量PCBの汚染が否定できない電気機器が廃棄物となった場合には、保管事業者は機器に使用されている絶縁油を分析して、PCB汚染の有無を確認する必要があります。
当社は、トランス、コンデンサ等の絶縁油中の微量PCB分析を行っています。当社の測定方法は、環境省が公表した「絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定マニュアル」(環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課)記載の機器分析法に準拠したもので、これまでに多くの微量PCB分析を実施してきました。
- 当社が実施する絶縁油中のPCB 簡易定量法
「絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル」に掲載されている下記の3法に対応
2.1.1 高濃度硫酸処理/シリカゲルカラム分画/キャピラリーガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)法
2.1.2 加熱多層シリカゲルカラム/アルミナカラム/キャピラリーガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)法
2.2.1 溶媒希釈/ガスクロマトグラフ/高分解能質量分析(GC/HRMS)法 - 納期 試料お受取後 営業日10日(お急ぎの場合には最短3日で対応可)
自ら採取が可能なお客様に対しては、器材等を無料で提供致します。また現地採取のご依頼についても、対応いたします。


移動型設備による無害化洗浄処理
原理
処理対象
低濃度PCBで汚染された処理施設への移動が困難な大型変圧器類
処理方法
変圧器内の絶縁油をそのまま使用して、PCBを化学的に分解・分離しながら内部部材に付着したPCBも含めて洗浄処理する。

特徴
- 洗浄後は廃棄物の種類を、「特別管理産業廃棄物」から普通の「産業廃棄物」に変更できるため、現地での解体と金属や絶縁油の再利用可能となり、環境負荷が大幅に低減できます。
- 大型変圧器の輸送が、普通の産業廃棄物扱いになるので、輸送費が削減できます。
- 低濃度PCB汚染変圧器が、一か所に多数存在する場合は、まとめて洗浄処理が行えるので、トータルコストが下がります。
※産業廃棄物
事業活動に伴って生じた固形状又は液状のもので、他人に有償で売却するすることができないために不要になったもの。
特別管理産業廃棄物
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性など人の健康又は生活環境を害する恐れがあって特別な管理を要する廃棄物。
無害化洗浄処理に適した変圧器
処理施設への移動が困難な大型の変圧器(目安:5,000kVAクラス以上)。
移動が可能な変圧器は、焼却方式による処理をお奨めしています。
無害化洗浄処理の実施例
1.作業用足場設置

2.洗浄処理(薬剤交換)

3.変圧器天蓋切断

4.分析用部材採取作業

5.変圧器払出
